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決算後のAppleは依然として買いか?最新データで読み解く投資判断

Appleは2025年第1四半期も過去最高の業績を記録し、市場平均を大きく上回る成長を見せている。しかし、PERやPBRなどのバリュエーション指標は歴史的高水準に達し、割高感が議論されている。果たして、この評価は正当化できるのか?最新データから分析する。

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財務表から読み解く企業価値

Apple Inc.は2025会計年度第1四半期において、売上高1243億ドル(前年比+4%)、純利益363億ドル(前年比+7.1%)を記録し、過去最高の業績を達成した。1株当たり利益(EPS)は2.40ドルで、前年同期比10%増加した

出典:Apple reports first quarter results - Apple

成長トレンド

  • 売上高:サービス部門が26.34億ドルと14%成長し、全体の成長を牽引。一方、iPhoneの売上は69.14億ドルで前年比0.8%減少
  • 営業利益率:46.9%と高水準を維持。製品部門の利益率は39.3%、サービス部門は75%と堅調
  • フリーキャッシュフロー:前年同期比で75.4%減少。これは配当や株式買戻しなど株主還元策の影響が大きい

主要財務比率

  • PER(株価収益率):35.2倍(業界平均を上回る)
  • ROE自己資本利益率:186.55%と極めて高い水準を維持
  • 流動比率:0.99で短期的な財務健全性はやや低下傾向

Appleは強力な収益基盤を持つ一方で、中国市場での競争激化や規制リスクが課題として浮上している

株価

基本的に重要な移動平均線とトレンドを示す。

(欧米の投資家は50日線を重要視。あとは200日線)

移動平均線は200日線が水色、50日線が紫、21日線が黄色、9日線がピンク。

銘柄:AAPL

株価:237.59$ (2025年1月31日時点)

出典:YahooFinance:https://finance.yahoo.com/quote/AAPL/

取引指標サマリ

  • 株価終値は237.59ドルで、前日比1.77ドル(-0.74%)下落。
  • 市場評価:「Fair Value Assessment」によると、Appleの株価は公正価値(200ドル)を18%上回り、割高と評価されている。
  • 時価総額:3.5728兆ドル。
  • 取引情報
    • 当日の取引レンジ:237.21ドル~240.79ドル。
    • 年間レンジ:164.08ドル~260.10ドル。
    • 出来高:55.7百万株(平均47.0百万株)。
    • ショート比率:2.74。
  • 財務指標
    • Price/Sales(株価売上倍率):9.19。
    • Price/Book(株価純資産倍率):53.53。
    • Beta(ボラティリティ指標):1.21。
株価の割高感

画像では、Appleの株価が公正価値(200ドル)を18%上回っていると評価されている。これは、投資家がAppleに対して成長期待を持ち、プレミアムを支払っていることを反映している。

ただし、この割高感は投資家にとって注意すべきポイントであり、特に市場全体が調整局面に入った場合にはリスクとして作用する可能性がある。

取引レンジとボラティリティ

当日の取引レンジ(237.21~240.79ドル)は比較的狭く、安定した価格推移を示している。

一方で、年間レンジ(164.08~260.10ドル)は広く、市場環境やマクロ経済要因による影響を受けてきたことが伺える。

Beta値が1.21であるため、市場全体よりもやや高いボラティリティを持つことも確認できる。

ショート比率

ショート比率(2.74)は比較的低めであり、市場全体としてApple株への強い売り圧力は見られない。

この点からも、投資家の間では依然として同社への信頼感があると考えられる。

財務指標

Price/Sales(9.19)およびPrice/Book(53.53)は非常に高い水準であり、この点も市場がAppleに対して高い成長期待を持っていることを示している。

ただし、これらの指標は業界平均と比較すると割高であり、今後の収益成長が期待通り進まない場合には調整リスクがある。

 

投資リターン

短期パフォーマンス
  • 1日: -0.74%
  • 1週間: +6.23%
  • 1ヶ月: -5.79%

Appleは直近1日では市場全体(+0.60%)を下回るパフォーマンスを示しているが、1週間では業界平均(+6.15%)やインデックス(-0.05%)を上回る強いリターンを記録。

一方で、1ヶ月間では調整局面にあり、業界平均(-5.43%)およびインデックス(+3.24%)を下回っている。

中期パフォーマンス
  • 3ヶ月: +3.36%
  • 年初来(YTD): -5.12%
  • 1年: +26.88%

3ヶ月のリターンは業界平均(+4.02%)には若干劣るが、堅調な成長を維持している。一方、年初来では市場全体(+3.65%)に対して大きく遅れを取っている。

しかし、1年単位では業界平均(+26.64%)やインデックス(+24.88%)を上回り、中期的な成長力を示している。

長期パフォーマンス
  • 3年: +12.18%
  • 5年: +24.49%
  • 10年: +23.68%
  • 15年: +26.96%

Appleは長期的に業界平均や市場全体を一貫して上回るパフォーマンスを示している。特に15年リターンでは26.96%と、業界平均の26.02%、インデックスの14.21%を大きく上回っており、長期投資家にとって非常に魅力的な銘柄であることがわかる。

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バリュエーション指標の推移

Price/Sales(株価売上倍率)

    • 現在値: 9.43
    • 過去の推移: 2019年の5.25から上昇傾向が続き、2024年には9.87に達している。
    • 5年平均: 8.47
    • インデックス比較: 6.87

Price/Earnings(株価収益率, PER)

    • 現在値: 39.37
    • 過去の推移: 2019年の24.70から急上昇し、2024年には41.19に達している。
    • 5年平均: 31.65
    • インデックス比較: 28.45

Price/Cash Flow(株価キャッシュフロー倍率)

    • 現在値: 32.18
    • 過去の推移: 2019年の18.73から上昇し、2024年には33.67に達している。
    • 5年平均: 27.49
    • インデックス比較: 23.22

Price/Book(株価純資産倍率, PBR)

    • 現在値: 63.54
    • 過去の推移: 2019年の14.42から急激に上昇し、2024年には66.47に達している。
    • 5年平均: 46.23
    • インデックス比較: 32.01

四半期・年次決算書から読み解いた考察

セグメント別業績

  • iPhone:売上は69.14億ドルで微減。Apple Intelligence未展開地域では販売が伸び悩む一方、展開地域では好調
  • Mac:89億ドル(前年比+15.6%)。M4チップ搭載モデルが好評
  • サービス部門:26.34億ドルと過去最高。Apple MusicやiCloudの利用者増加が寄与

地域別業績

  • アメリカ、ヨーロッパ、日本などで過去最高収益を記録。一方、中国市場では前年比11%減少し、競争圧力が課題となっている

CEOの洞察

CEOティム・クックは「Apple Intelligence」の多言語展開(日本語含む)を4月に予定しており、新たな成長機会を見込んでいる

 

また、AI技術「Apple Intelligence」が今後の成長戦略の中核になると強調。

特に、iPhoneMac製品へのAI機能統合がユーザー体験を大きく向上させると述べた。また、新興市場(特にインド)への注力も示唆し、同地域での販売拡大に期待感を示した

市場ポジションと競争

競争優位性

  • Appleは市場シェアとブランド価値において圧倒的な地位を維持している。特にサービス部門の成長が他社との差別化要因となっている。
  • 競合他社(Dell、HPなど)と比較して営業利益率が約31.5%と高く、効率的なコスト管理が特徴

課題

  • 中国市場ではHuaweiVivoとの競争が激化。規制リスクも存在するため、中長期的な戦略が求められる

ビジョンと将来展望

Appleは中長期的に以下の目標を掲げている。

  1. AI技術の拡充:「Apple Intelligence」の多言語対応や新機能追加によるエコシステム強化。
  2. 新興市場への進出:インド市場でのシェア拡大を目指す。
  3. 環境目標達成:「カーボンニュートラル」製品ラインアップの拡充

ティム・クックCEOは、「スマートフォンにはまだ多くの革新余地がある」と述べており、新製品ラインアップへの期待感も高い

結論

Apple Inc.は2025年初頭時点で堅調な財務状況と市場ポジションを維持しており、その成長性や収益力に対する市場の期待感が非常に高いことを示している。

一方で、このような高い評価は割高感を伴うため、将来の業績やマクロ経済環境によっては調整リスクも存在する。

特にPERやPBRが歴史的な高水準である点は注意が必要であり、投資家は慎重な判断が求められるだろう。

また、中国市場での競争激化や規制リスクへの対応が課題となる。

 

一方、「Apple Intelligence」を中心としたAI技術と新興市場戦略によるさらなる成長が見込まれる。

羊の雑記

APPLEは決算後はあまり動かなかったですね。一昨日と昨日の上げで日足の押し目は抜けましたが、まだ少し様子見かなとも思ってます。

APPLEMicrosoft同様で、指数系のETFで持ってても問題ないと思っています。個別株として持っておきたい人は持っててもいいと思います。

まあ、資金に余裕があるのでこの辺りは問題ないですね。

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注意事項

当ブログの内容は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものでも、投資の助言を行うものでもありません。

投資判断はご自身の責任で行ってください。各銘柄に関するリスクや将来の見通しについては、必ずご自身で確認し、慎重に検討するようお願いします。

マーケットは常に変動する可能性があり、最新の情報に基づいて判断することが重要です。