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Rigetti Computing (RGTI) 2025年 Q1分析:量子コンピューティングの未来に向けた現在地

Rigetti Computing (RGTI) は、フルスタックの量子コンピューティングにおけるパイオニア企業である 。

 

同社は2025年第1四半期決算を発表し、技術開発における進捗と将来への展望を示した。

本記事では、最新の財務データ、決算内容、CEOの洞察、市場での立ち位置、そして将来展望を、提供された資料に基づき分析する。

Technical chart

基本的に重要な移動平均線とトレンドを示す。

(欧米の投資家は50日線を重要視。あとは200日線)

※移動平均線は200日線が水色、50日線が紫、21日線が黄色、9日線がピンク。

銘柄:RGTI

株価:11.55$ (2025年5月13日時点) 

出典:YahooFinance:https://finance.yahoo.com/quote/RGTI/

財務表から読み解く企業価値

2025年第1四半期の総収益は150万ドルであり、前年同期の310万ドルから減少した 。

粗利益率は30%で、前年同期の49%から低下した 。

これは、英国NQCC(National Quantum Computing Centre)への24量子ビットシステム提供契約に関連する収益計上が進行中であり、この契約の粗利益率が他の収益源と比較して低いことに起因する 。

 

営業費用は2210万ドルで、前年同期の1810万ドルから増加した 。

増加の主な要因は、年次昇給、新規採用、RSU(制限付き株式ユニット)の権利確定と株価上昇に伴うFICA税(連邦保険拠出法税)の増加、収益計上に使用されるエンジニアリング時間の減少などである 。

従業員へのスポットボーナスに関連する株式報酬費用も増加に寄与した 。

 

営業損失は2160万ドルで、前年同期の1660万ドルから拡大した 。

しかし、当四半期には4260万ドルの純利益を計上した 。

 

これは主に、デリバティブワラントおよびアーンアウト負債の公正価値変動に伴う6210万ドルの非現金利益によるものである 。

前年同期はこれらの負債変動により420万ドルの損失影響があった 。

Rigettiは現在、研究開発(R&D)段階にあり、CEOも技術マイルストーン達成に重点を置いていると述べている 。

 

純利益は非現金項目によるものであり、PER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)といった従来の株価指標を用いた評価は現段階では難しい。

キャッシュフローに関しても、R&D投資が先行している状況である。

 

財務健全性については、2025年4月30日時点で、Quanta Computerからの投資完了後、現金、現金同等物、および売却可能投資の合計は2億3770万ドルに達しており、当面の事業継続と研究開発投資に必要な資金は確保されていると言える 。

 

Quantaとの戦略的提携は、非QPU(量子プロセッシングユニット)ハードウェアへの投資負担を軽減し、RigettiがQPU開発に集中することを可能にするため、財務リスクの軽減にも繋がるだろう 。

四半期・年次決算書から読み解いた考察

2025年第1四半期決算は、Rigettiが依然として研究開発主導のフェーズにあることを示している。

  • 主要指標: 売上高は前年同期比で減少し 、営業損失は拡大した 。粗利益率も低下している 。これは主に英国NQCCとの契約収益の利益率が低いことによる 。
    一方で、デリバティブ負債等の公正価値変動により純利益は黒字となったが、これは非現金項目である点に留意が必要である 。

  • セグメント: 主な収益源は政府契約や研究機関向けのシステム販売・アクセス提供であり、売上は本質的に単発的(lumpy)な性質を持つ 。
    CEOは、現在の売上高よりも技術的なマイルストーン達成を重視する姿勢を示している 。
    将来の売上には、NQI(国家量子イニシアチブ)再承認法案の成立や米国・海外政府との契約、Novera QPUの販売が重要となる 。

  • 今後の見通しとリスク: マクロ経済環境の影響として、特に米国政府の予算策定(NQI再承認法案の遅延 )が、学術機関やDOE(エネルギー省)傘下の研究所からの資金調達に影響を与え、結果的にRigettiの受注機会にも影響を及ぼす可能性がある 。

    CEOはNQI再承認に楽観的な見方を示しているものの 、法案成立後も予算執行までには時間を要する 。Quanta Computerからの投資完了 は財務基盤を強化したが 、依然として技術開発ロードマップの着実な実行が最重要課題である 。

CEOの洞察

CEOのSubodh Kulkarni博士の発言からは、Rigettiの明確な戦略とビジョンがうかがえる。

  • 成長戦略と競争優位性:
    Kulkarni博士は、DARPA 、AFOSR 、Innovate UK といった米国および英国政府からの重要なプロジェクト獲得を強調し、これが同社の超伝導量子コンピューティングにおけるリーダーシップの証であると述べている 。

    スケーリング戦略の中核は、独自のマルチチップ(チップレット)アーキテクチャ と、ABAA(Alternating-Bias Assisted Annealing)と呼ばれる画期的なチップ製造技術 、そして将来的な光信号技術の活用 にある。

    これにより、量子ビット数を増やし、忠実度を高め(目標 >99.5% )、ゲート速度を向上させる(目標 <10ns )ことを目指す。Kulkarni博士は、超伝導方式が量子ビット数とゲート速度において他の方式(イオントラップ、中性原子)よりも優位にあると考えている 。

  • 重要なメッセージ
    Kulkarni博士は、量子コンピューティングがまだR&D段階にあり 、「量子アドバンテージ」(古典コンピュータを凌駕する実用的な価値を示す段階)の実現にはまだ4~5年かかるとの見通しを示している 。

    そのため、現時点での売上よりも、DARPAのプロジェクト選定 や技術マイルストーンの達成 が重要であると繰り返し強調している。

    Quanta Computerとの戦略的提携 は、非QPUハードウェア開発・製造をQuantaに委ねることで 、RigettiがQPUコア技術に集中し、市場投入までの時間短縮を図る上で極めて重要であると位置づけている 。

  • 発言と実績の整合性
     CEOの発言は、同社が発表している技術開発の進捗(チップレットの試み 、ABAAの初期結果 、光制御に関する論文発表 )や、獲得した政府プロジェクト と整合性が取れている。

    一方で、NQI再承認の遅れ や短期的な売上の変動 は、外部環境の不確実性を示唆している。

市場ポジションと競争

Rigettiは、超伝導量子ビットを用いたフルスタック(ハードウェアからソフトウェアまで)アプローチを特徴とする企業である 。

  • 競争優位性
    • マルチチップアーキテクチャ: スケーラビリティを実現する鍵として、チップレット技術を推進している 。これは、単一の大きなチップ(モノリシック)でのスケーリングに課題がある中での差別化要因となり得る 。

    • 垂直統合: 業界初の専用統合量子デバイス製造施設「Fab-1」を自社で保有し、チップの設計から製造までを一貫して行っている 。これにより、開発サイクルの短縮や技術の最適化が可能となる。

    • 独自技術: ABAA製造技術 や、将来のスケーリングを見据えた光信号インターコネクトの研究開発 も、他社との差別化を図る要素である。

  • 市場環境と競合: 量子コンピューティング市場はまだ黎明期にあり、多くの企業が様々な技術アプローチで開発を進めている。

    超伝導方式においては、IBMやHP(HPE)などが競合として挙げられる(DARPAプロジェクト参加企業として言及あり) 。

    Rigettiは、イオントラップや中性原子といった他の方式に対しては、量子ビット数や特にゲート速度の点で優位性があると主張している 。

    市場の成長性は高いと期待されるが、実用的な量子アドバンテージ達成までのタイムライン や、政府予算(特にNQI)への依存 が課題である。

  • パートナーシップ: Riverlane(QEC技術) 、Quanta Computer(ハードウェア製造・供給) 、NQCC(英国での展開拠点) 、大学や国立研究所 など、多数のパートナーとの連携を通じて、技術開発とエコシステム構築を進めている。

ビジョンと将来展望

Rigettiの究極的な目標は、誤り耐性のある実用的な(ユーティリティスケール)量子コンピュータを実現することである 。

  • 短期・中期目標:
    • 2025年中旬:4つの9量子ビットチップレットを用いたシステム(36量子ビット)を、99.5%~99.7%の高い忠実度で実証する 。

    • 2025年末:チップレット技術を用いて100量子ビットを超えるシステムを実証する 。

    • DARPAの量子ベンチマーキング・イニシアチブにおいて、ステージAからステージB、そして最終選定グループへと進むこと 。

    • ABAA技術のさらなる開発と実用化 。

    • 光インターコネクト技術の研究開発推進 。

  • 戦略: 上記目標達成のため、チップレット技術の成熟 、ABAAによる製造プロセスの改善 、QEC(量子誤り訂正)能力の向上(RiverlaneやNQCCとの連携) 、そしてQuantaとの協業による非QPUハードウェア開発・製造の加速 を進める。

  • 実現可能性とリスク: 技術ロードマップは野心的であり、各マイルストーンの達成が鍵となる 。

    特にチップレット技術と忠実度の両立は重要なハードルである。競合他社の動向や技術革新も注視が必要である。

    NQI再承認の遅延など、政府資金への依存は依然としてリスク要因である 。

    しかし、Quantaとの提携はハードウェア投資リスクを低減し 、政府からの継続的なプロジェクト獲得 は、同社の技術力が評価されていることを示唆しており、ビジョン実現に向けた道筋を着実に歩んでいると言える。

結論

Rigetti Computingは、量子コンピューティングの商業化に向けた長い道のりの途上にある。

2025年第1四半期は、売上減少や営業損失拡大といった課題も見られたが、Quantaからの投資確保や重要な政府プロジェクトの獲得は、同社の技術力と将来性への期待を示すものである。

チップレット、ABAA、光技術といった独自のアプローチでスケーリングと性能向上を図り、パートナーシップを強化しながら、4~5年後の量子アドバンテージ実現という目標に向けて、研究開発に注力していく姿勢である 。

短期的な財務指標よりも、技術的なマイルストーンの達成状況と、政府の量子技術への投資動向が重要な判断材料となる

 

資料出典:Investor Relations | Rigetti & Co, LLC

羊の雑記

RGTIは短期というより、長期目線の夢銘柄枠だと思ってます。

センチメントは上ですが、利益率や品質、成長観点だとまだ何とも言えない感じですね。

量子銘柄では人気がある銘柄の一つですね。

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