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ロビンフッド(HOOD)の野望 - 2024年から見る10年後のグローバル金融エコシステム

ロビンフッド(HOOD)が描く未来の金融エコシステムとは? 2024年の現状から10年後のビジョンまで、成長戦略と野心的な目標を詳細に解説する。

テクノロジーと金融の融合が生み出す新たな可能性に、投資家の注目が集まっている。

株価

チャートは私の画面。

基本的に重要な移動平均線とトレンドを示す。

(欧米の投資家は50日線を重要視します。あとは200日線)

 

移動平均線は200日線が水色、50日線が紫、21日線が黄色、9日線がピンク。

 

銘柄:HOOD

株価:39.58$ (2024年12月26日時点)

年初来:+210.68%

出典:Yahoo Finance: https://finance.yahoo.com/quote/HOOD/

1. 財務表から読み解く企業価値

ロビンフッド(HOOD)は2024年で顕著な成長を遂げている。主要な財務指標は以下の通り:

  • 資産運用残高(AUC): 1,600億ドル (前年比89%増、10月末時点)
  • 年間純預金: 430億ドル (51%の年率成長、9月末時点)
  • 年間総純収益: 24億ドル (前年比36%増、9月末時点)
  • 年間調整後EBITDA: 9.49億ドル (前年比96%増、9月末時点)

これらの数字は、ロビンフッドが急速に成長し、収益性を高めていることを示している。

特に注目すべきは、調整後EBITDAの96%という大幅な成長だ。

これは、企業が効率的に収益を利益に変換していることを示している。

 

財務健全性の面では、ロビンフッドは約50億ドルの企業現金と投資を保有しており、強固な財務基盤を持っている。これにより、将来の成長投資や市場の変動に対する耐性が確保されている。

 

主な財務比率については、PERとPBRは現在の市場環境では業界平均を下回る可能性があるが、収益成長性が注目点となっている。

 

ROEとROAは、特に若年層投資家からの資金流入が資産効率を向上させている。負債比率に関しては、同社が90%の固定費を持つビジネスモデルにより、安定性を保っている。

2. 四半期・年次決算書から読み解いた考察

2024年第3四半期までの直近12ヶ月間(LTM)のデータを見ると、ロビンフッドの成長が加速していることがわかる:

  • 有料顧客数: 2,440万人 (前年比110万人増、10月末時点)
  • ゴールド会員数: 220万人 (前年比65%増、10月末時点)
  • 暗号資産取引量: 880億ドル (9月末時点)

特筆すべきは、ゴールド会員の急増だ。

これは、ロビンフッドの高付加価値サービスへの需要が高まっていることを示している。

セグメント別では、ブローカレッジ、暗号資産、マネー(Robinhood Gold Card含む)の3つの主要事業が全て成長している。

 

特に、暗号資産部門は11月だけで300億ドルの取引量を記録し、前年比400%以上の成長を遂げている。

 

取引手数料に関しては、オプション取引からの収益が急成長している。マネーマネジメント部門では、Robinhood Gold Cardのユーザー増加が、クロスセルの成果として見られる。

3. CEOの洞察

ヴラド・テネフCEOは、ロビンフッドの10年ビジョンを3つの段階で説明している:

  1. アクティブトレーダーでNo.1
  2. 次世代の財布シェアでNo.1
  3. グローバル金融エコシステムでNo.1

テネフCEOは、特に人工知能(AI)と暗号資産技術を活用した革新に注力している。

AIについては、内部オペレーションの強化、顧客向け製品の拡充、そして高度な自律型金融エージェントの開発を進めている。

 

暗号資産については、ブロックチェーン技術を金融インフラの基盤として位置づけ、従来の金融システムとの融合を目指している。

主な戦略として、革新的な製品開発(新しい取引ツールや自律的な金融エージェントの導入)と市場拡大(アジア市場進出や、ヨーロッパでのさらなる拡大)が挙げられる。

4. 市場ポジションと競争

ロビンフッドは、米国の株式・オプション取引市場で急速にシェアを拡大している:

  • 株式取引シェア: 過去2年間で12ポイント増
  • オプション取引シェア: 過去2年間で28ポイント増

特に、オプション取引では業界No.1のシュワブに迫る勢いを見せている。

暗号資産取引では、コインベースの約半分の取引量を誇り、業界第2位の地位を確立している。

 

ロビンフッドの強みは、最低価格の取引手数料と、株式・暗号資産を一つのプラットフォームで取引できる利便性にある。

競争環境では、ロビンフッドのテクノロジー企業としての特性が強みとなっている。

 

固定費比率が90%と高く、収益が増加すれば大きな利益率の改善が期待できる。

業界での優位性として、コミッションフリーの取引を先駆けて導入したこと、ミレニアル世代とGen Zを主な顧客層とし、継続的な資産増加を実現していることが挙げられる。

5. ビジョンと将来展望

ロビンフッドは、6,000億ドル以上の収益機会がある市場に対して、現在はわずか1%未満の浸透率だ。今後の成長戦略として以下を掲げている。

  1. 新商品の開発 (24時間市場、自己管理ウォレットなど)
  2. 新資産クラスの追加 (指数オプション、先物、イベント契約など)
  3. ツール、レイテンシー、チャートの改善

国際展開も加速させており、2025年にはアジア市場への進出を計画している。

 

シンガポールをAPAC本部として開設し、アジア全域でのサービス提供を目指している。

また、資産運用業界への本格参入も視野に入れており、TradeP MRの買収を通じて40億ドル以上の運用資産を獲得する予定だ。

 

テネフCEOは、次世代の資産管理と顧客体験の向上を目指している。

特に、AI技術や暗号通貨技術を活用した革新に重点を置いている。

短期目標として2025年には、アジア市場への参入と新しい製品ラインの拡張を予定している。

 

中長期目標としては、トークン化された資産の市場拡大と、顧客ロイヤルティ向上の達成を目指している。

 

投資家にとっての注目点は、ロビンフッドの急速な成長と市場シェア拡大が今後も続くかどうかだ。

一方で、規制環境の変化や市場の変動性は潜在的なリスク要因となる可能性がある。

 

ロビンフッドは、テクノロジーを活用した革新的な金融サービスの提供を通じて、従来の金融機関とは異なる成長軌道を描いている。

 

若年層の金融アセットの取り込みを軸に、事業を多角化しつつある点は評価できる。

投資対象としては中長期的な目線で注目したい。

データ駆動で変革を続けるロビンフッドの「次の10年」に期待が高まっている。

 

羊の雑記

HOODは注目銘柄の一つとしてマークしてます。

来年のポートフォリオに入れるか現在検討中です。アメリカの投資家の間では大人気ですけどね(笑)

 

今年の残りの営業日もあとわずかですね。

年末のアノマリー的にはXmasから継続で上昇するのが鉄板ですが、先日のFOMCでの下落が結構大きかったので、回復に時間かかりますね。

できれば、最高値で年末は締めくくりたいものです。

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